優雅な女子旅になるはずだった日

ここまる(心)

先日、中学生の姪っ子が珍しく、

「特攻基地に行きたい」

と言ってきた。

姪っ子は、どちらかといえば勉強が嫌いで、戦争などにもあまり興味がなさそうなタイプ。

どうしたのかと尋ねると、

「あの花が咲く丘で」の映画を観て、戦争に興味を持ったらしい。

「久しぶりに行きたくなった」

とのことだった。

せっかくなら、ゆっくり見せてあげたい。

私の子どもたちが一緒だと、どうしてもゆっくり見られないので、幼稚園と保育園に預けて、

夏休みに長女と姪っ子、私の妹や母とみんなで休みを合わせて、プチ女子旅をする予定だった。

ところが。

予定していた日の数日前に、熊本地震。

私たちの地域も震度5。

その後も余震が続いていた。

保育園からは、

「なるべく家庭保育をお願いします。自宅保育が困難な場合のみお預かりします」

との連絡がきた。

大きな地震があったばかり。

余震も続いている。

そんな状況で、仕事が休みの日に預けるのもなんだか申し訳ない。

結局……

子ども3人連れで行くことになった。

優雅な女子旅。

開始前に終了である。笑

そして、目的地までの車の中。

「ママ、まだ?」

「ママ、お腹すいた」

「ママ、トイレ」

「ママ、お茶」

「ママ、なんか買いたい」

「ママ……」

「ママ……」

まぁーーー、うるさい!!!笑

なんとか到着し、特攻基地へ。

ここからは少し静かに見られるかなと思ったら……

「ママ、あっち行きたい」

「ママ、早くどっか行こう」

「ママ、まだ?」

末っ子とベビーカーの取り合い。

追いかけっこ。

泣く。

笑う。

そしてまた「ママ!」

8月ということもあり、たくさんの人が訪れている中、完全に場違いな私たち。

「今は静かにしてね」

「大事なところだから、ちょっと待ってね」

何度説明しても、怒っても、

数秒後にはまた話しかけてくる。

母、撃沈。笑

結局、ゆっくり見ることはできず、早々に外へ。

子どもたちを外で遊ばせることにした。

一方、今回の目的だった姪っ子はというと……

真剣に見ているのかと思ったら、

「眠い」

……そうですか。笑

そして、感受性の強い長女は、

「ママ、なんかずーんって気分悪くなってきた。出よう」

と。

昔、戦争について学んだときは、

「こんなことがあったんだ……」

と暗い気持ちになりながらも、

今こうして平和な日本で暮らせていることに、どこか感謝するような気持ちだった。

でも、母になった今。

子どもを持つ親という立場で見ると、

胸の奥に鉛が落ちてくるような、

なんとも言えない重たい気持ちになる。

自分の子どもと同じくらいの年齢の子たちが、

家族と離れ、

生きて帰ることのできない場所へ向かった。

そう思うと、昔とはまた違う感覚で戦争を感じる。

子どもたちにはまだ、全部を理解することはできない。

でも、いつか大きくなったときに、

「あのときママと行ったな」

と思い出してくれたら、それでいいのかもしれない。

そして特攻基地をあとにして、

次はおしゃれなカフェへ。

アイスを食べて、ちょっと優雅な女子旅……

になるはずもなく。

2歳半の娘が、

「あっちがいい!」

「これがよかった!」

「じぶんで食べたい!」

と大騒ぎ。

はい。

ここでも母、撃沈。笑

帰りの車の中も、もちろん大騒ぎ。

「ママ、まだ?」

「ママ、お腹すいた」

「ママ……」

優雅な女子旅の予定は、

見事にはちゃめちゃな旅になった。

でも。

たぶん、これも我が家らしい。

戦争について考えた日。

子どもたちに振り回された日。

姪っ子と長女と、母と妹と一緒に過ごした日。

完璧な女子旅にはならなかったけれど、

きっとこういう「予定どおりにならない日」も、あとから思えば大切な夏休みの思い出になる。

次はもう少し、子どもたちが大きくなってから。

今度こそ、ゆっくり見に行こう。

……いや、その頃にはまた別の理由でバタバタしている気もするけれど。笑

我が家らしい、夏休みの一日でした。

今日も心が、少しまるくなりますように。

またここまるで🌿

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